むかしむかし、貧しいけれど、心の優しいあらまきさんがいました。
ある寒い冬の日、おじいさんはインターネットに神ゲーを買いに出かけました。
すると途中のセール品の中で、一本のアトリエシリーズが売れずにもがいていたのです。
「おお、おお、可愛そうに」
あらまきさんは可愛そうに思って、アトリエシリーズを買ってやりました。
するとロロナは、あらまきさんのSwitchでダウンロードゲージを回しながら、
「テロン、テロオン、テロン」
と、さもうれしそうに鳴いて、ダウンロードを始めました。
その夜、日暮れ頃から降り始めた請求書が、コンコンと積もって大赤字になりました。
あらまきさんがゲームを買った話をしていると、Switchのお知らせを、
トントン、トントン
と、叩く音がします。
「ごめんください。開けてくださいまし」
若い女の人の声です。
あらまきさんがゲームを始めると、キャラクターのイメージと声が合っていない女が立っていました。
あらまきさんは驚いて、
「まあ、まあ、ブヒれればなんでもいい。早くやるか」
と、Switchのスリープを解除しました。
「わたしは、この辺りに人を訪ねて来ましたが、どこを探しても見当たらず、日は暮れるし、やっとの事でここまでまいりました。ご迷惑でしょうが、どうかプレイしてくださいまし」
娘は丁寧(ていねい)に、手をついて頼みました。
「それはそれは、さぞ、お困りだろう。プレイしてあげよう」
「ありがとうございます」
娘は喜んで、その晩は錬金術などをして働いて休みました。
さて、ある日の事。
娘の元へ小包が届きました。
「決して開けないでください」
と、そう、小包には書いてありました。
あらまきさんは気になって、小包を娘に開けさせました。
すると、たちまちロロナのアトリエのデータは鶴の姿となって飛び出していきました。
「あらまきさん、ありがとう」
そう言い残して、彼女は私の前から消え去りました。
コメント